FD研修・自己点検

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【1】FDとは

 法科大学院の良し悪しは、FD(ファカルティ・ディベロップメント)活動が行われているのかどうか、また、どのように行われているのかによるといわれています。
  FD活動とは、教員の教育能力の開発・向上を図ることを目的とする活動の総称です。名大法科大学院では、大きく分けると3つの取り組みを実践し、質の高い法曹の養成に努力しています。

●ITを活用した教育内容・方法の質的向上
 水準の高い講義が展開されていても、教員による一方的な講義と一回の定期試験を行うだけでは、質の高い学生を大量に育成することはむずかしいといえます。名大法科大学院は、少人数教育を実現しているだけでなく、「プロセスで学ぶ」環境を積極的に支援するために様々な取組みを行っています。そして、これらの教育支援環境を教員も学生も使いこなすことができるように、研修を実施しするとともに、より利用しやすい環境を提供するために、利用サービス・マニュアルの作成・インターフェースの開発に努力しています。

●教員相互の研修の実施
 質の高い実務法曹を育成するためには、実務家教員と研究者教員が相互に互いの長所を学びあうことが不可欠です。研究者教員は、実務家の視点で理論教育のあり方を点検することが必要であり、また、実務家教員は、教育者・研究者の視点から実務教育を検討することが求められています。名古屋大学法科大学院では、このような相互研修を実現するために、学外の研修に積極的に参加するとともに、国内・国外の取組みを採り入れるために、いろいろな講演会を催しています。さらに、これらの成果を共有するために、教育懇談会を実施しています。

●「授業評価アンケート」「教育改善研究集会」等の実施
 毎学期末には、全授業科目を対象として「授業評価アンケート」が実施されます。授業担当教員は、このアンケート結果や成績評価を受けて、「授業実施報告書(学生へのメッセージ)」を作成し、学生に応接します。また、授業評価の結果やクラス懇談会で寄せられた意見等をもふまえつつ、教育の内容・方法の改善・充実を図る目的で、法科大学院の教員と学生全員が参加する「教育改善研究集会」が毎年開催されています。この集会では、法科大学院における授業や教育の方法について、法科大学院修了生も交え、教員や学生の間で幅広く意見交換が行われ、学生からは「法科大学院の授業を活かすための予習・復習の仕方など、先生や先輩の話は大いに参考になった」という声も寄せられています。


教育改善研究集会

【2】自己点検及び評価 

 本法科大学院では、教育の内容・方法の改善・充実を組織的に図っていくために、自己点検・評価を行っています。

●自己点検・評価活動とその成果
 本法科大学院の定める「教育内容・教育方法の改善・充実計画」では、「計画→実施→確認→試験→報告→懇談→記録→議論」という8つのプロセス(【1】の図参照)にそくして、自己点検・評価の実施方法と目標が示されています。そして、自己点検・評価の結果は、学務委員会等の関係する委員会に報告され、改善の実現を図る体制がとられています。その成果は、例えば、キャリア支援委員会が2005年度から設置されたことや、成績確認制度が設けられたこと、あるいは、定期試験が実施される全科目について採点基準や成績分布の公表(後述)が実施されるようになったこと等にあらわれています。
 
●成績分布の公表
 授業科目の成績は、特A(100-90点)、A(89-80点)、B(79-70点)、C(69-60点)及びD(60点未満)の区分により評価し、特A、A、B、Cを合格、Dを不合格とします。合格者中の成績分布は、特A10%、A30%、B40%、C20%を目途としています。ただし履修学生数が少ない科目については、この限りではありません。
 
各年度春・秋学期の成績分布(履修者5名以上の科目のみ)
2022年度:春学期成績分布グラフ秋学期成績分布グラフ
2021年度:春学期成績分布グラフ秋学期成績分布グラフ
2020年度:春学期成績分布グラフ秋学期成績分布グラフ 
 
●自己点検・評価報告書
「名古屋大学法科大学院自己点検・評価報告書(2004年4月~2006年3月)」
「名古屋大学法科大学院自己点検・評価報告書(2006年4月~2008年3月)」
「名古屋大学法科大学院自己点検・評価報告書(2008年4月~2012年3月)」
「名古屋大学法科大学院自己点検・評価報告書(2012年4月~2017年3月)」
「名古屋大学法科大学院自己点検・評価報告書(2017年4月~2023年3月)」
 
●本研究科における外部評価システム
 活動の方向・あり方を検討するに際しては、外部者による評価を受けることが必要との観点から、本研究科では、従来から2つの外部評価システムを構築してきました。
 
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【3】教育改善のための組織的活動 

 名古屋大学法科大学院は、教育の質的向上のため、さまざまな委員会組織が設けられています。

(1) 自己評価委員会
 自己評価委員会は、次項に述べる自己点検・評価を統括するものと位置づけられており、本法科大学院の全般的な改善を活動の目標としています。同委員会は、授業評価アンケートの実施、教育改善の任にあたる教育改善委員会や、学生が学修活動を効果的に行うための新しい教育方法を開発・提供するために組織された法科大学院形成支援プロジェクト事務局などと連携して、教育の改善に努めています。
 
名古屋大学法科大学院における教育活動等の質保証実施要項

(2) 教育改善委員会
 授業評価アンケートの実施・結果分析、教育改善研究集会の開催などを通じて、教育方法についての現状と問題を把握し、その改善を図るための活動を行っています。

(3) アカデミック・カウンセラー委員会
 学生からの日常的な学習に関する改善の要望を受け、対応しています。
 
(4) 実務教育担当者会議・法律基本科目担当者会議
 相互に問題を指摘しながら、教材の作成・教育内容・教育方法に関する改善につとめています。

【4】FD研修の実施状況