GREETING |
/ 研究科長からのごあいさつ |
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名古屋大学大学院法学研究科・法学部の研究教育には、歴史的に形成されてきた3つの特徴があります。
第1は、日本国憲法が掲げる人権保障・民主主義・平和主義の確立と発展に貢献する研究教育に、1950年の法学部創設以来、取り組んできたことです。そのことは学界において1つの学派を形成するとともに、本研究科・学部の運営の面でも学生を含む全構成員自治の伝統を生み出しました。
第2は、法学・政治学の基幹分野のみならず、社会的要請の高い学術的な重点領域分野で、先端的で先進的な研究活動をそれぞれの時代において行ってきました。現在では、グローバル化・デジタル化に関する法学・政治学的課題の検討、持続可能社会への転換のための規範理論分析、環境問題、ジェンダー問題などの研究や、ICT技術を活用した文理融合研究が続けられています。
第3は、1990年代以降、本研究科・学部はアジアとヨーロッパを舞台にした国際展開を行いました。日本の大学としては他に類をみない研究教育拠点を各地に設立し、国際的人材ネットワークの形成、国際的研究教育の充実に取り組んできました。アジアおよび東西の法文化の比較・交流・対話拠点として、本研究科・学部が果たすべき役割は大きいものと考えます。
我々はこれまでの研究教育を受け継ぎ、その実績を基礎として、未来社会に向けた法学・政治学の課題についてよりいっそう積極的に挑戦していきたいと思います。また、COVID-19によるパンデミックは我々の生活を根底から覆しました。
その影響は既に不安定な状態にあり、新たな打撃を吸収できる力が最も弱い人々に不均衡に重くのしかかり、社会経済におけるとてつもなく大きな欠陥や弱点、そして分断を明らかにしました。ニューノーマルをめぐる議論がいまも続いていますが、COVID-19以前の世界もノーマルには程遠い状態であったのであり、我々の生活が以前と同じ様相を呈することはありえないとともに、そうなるべきではないでしょう。
人権を基礎とした復興のために、本研究科・学部における上記のような取組みが果たすべき役割は少なくないものと思います。最後になりましたが、これまでの多くの方々から寄せられたご支援に対し、ここに感謝の念をあらたにしますとともに、今後さらなる発展を目指し、一層の努力を重ねて参りたいと存じます。

名古屋大学大学院法学研究科・法学部の研究教育には、歴史的に形成されてきた3つの特徴があります。
第1は、日本国憲法が掲げる人権保障・民主主義・平和主義の確立と発展に貢献する研究教育に、1950年の法学部創設以来、取り組んできたことです。そのことは学界において1つの学派を形成するとともに、本研究科・学部の運営の面でも学生を含む全構成員自治の伝統を生み出しました。
第2は、法学・政治学の基幹分野のみならず、社会的要請の高い学術的な重点領域分野で、先端的で先進的な研究活動をそれぞれの時代において行ってきました。現在では、グローバル化・デジタル化に関する法学・政治学的課題の検討、持続可能社会への転換のための規範理論分析、環境問題、ジェンダー問題などの研究や、ICT技術を活用した文理融合研究が続けられています。
第3は、1990年代以降、本研究科・学部はアジアとヨーロッパを舞台にした国際展開を行いました。日本の大学としては他に類をみない研究教育拠点を各地に設立し、国際的人材ネットワークの形成、国際的研究教育の充実に取り組んできました。アジアおよび東西の法文化の比較・交流・対話拠点として、本研究科・学部が果たすべき役割は大きいものと考えます。
我々はこれまでの研究教育を受け継ぎ、その実績を基礎として、未来社会に向けた法学・政治学の課題についてよりいっそう積極的に挑戦していきたいと思います。また、今回のCOVID-19によるパンデミックは我々の生活を根底から覆しました。
その影響は既に不安定な状態にあり、新たな打撃を吸収できる力が最も弱い人々に不均衡に重くのしかかり、社会経済におけるとてつもなく大きな欠陥や弱点、そして分断を明らかにしました。ニューノーマルをめぐる議論がすでに行われていますが、COVID-19以前の世界もノーマルには程遠い状態であったのであり、この危機の後に我々の生活が以前と同じ様相を呈することはありえないとともに、そうなるべきではないでしょう。
人権を基礎とした復興のために、本研究科・学部における上記のような取組みが果たすべき役割は少なくないものと思います。最後になりましたが、これまでの多くの方々から寄せられたご支援に対し、ここに感謝の念をあらたにしますとともに、今後さらなる発展を目指し、一層の努力を重ねて参りたいと存じます。