はじめに
2011年度に本プログラムが採択されてから10年以上が経過しました。多くの名古屋大学の学生を中国・韓国・シンガポールの大学に派遣し、多くの留学生を協定校から受け入れてきました。これまでの本プログラムの活動を報告するとともに、留学経験者の体験談を順次紹介していきたいと思います。
活動実績

数字で見るこれまでの活動

派遣者数
派遣者数 中国45名
派遣者数 韓国57名
派遣者数 シンガポール1名
長期派遣
受入国   派遣先大学 人数
中国   中国人民大学 40
  清華大学 0
  上海交通大学 5
  中国合計 45
韓国   成均館大学 57
  ソウル国立大学 0
  韓国合計 57
シンガポール   シンガポール国立大学 1
総計   103
受入者数
受入者数 中国68名
受入者数 韓国69名
受入者数 シンガポール8名
長期受入
受入国   受入大学 人数
中国   中国人民大学 56
  清華大学 1
  上海交通大学 9
  中国合計 68
韓国   成均館大学 65
  ソウル国立大学 4
  韓国合計 69
シンガポール   シンガポール国立大学 8
総計   145

学生シンポジウムの実施

学生シンポジウムは、キャンパス・アジアプログラムの長期留学に参加した学生が一堂に会し、それぞれの留学体験を参加者間で共有することによって、東アジア共通法の形成に向けた議論のための知識と視野を広めること、長期派遣修了学生の学習継続の動機付けとするとともに、その学習の成果を披露する場としています。
〇第1回キャンパス・アジア学生シンポジウム(2014年2月22日、名古屋大学)
第1回キャンパス・アジア学生シンポジウム
セッション1
キャンパス・アジアプログラムに関する振り返りと提案<学生の視点から>
→このプログラムを経験した学生たちが教育プログラムを評価し、キャンパス・アジアプログラムをより良くしようと試みました。
セッション2
東アジア共通法「ユス・コムーネ」の形成に向けて、現状と今後の展望
→学生たちは、本プログラムの最終かつ究極の目標である東アジア共通法「ユス・コムーネ」についての状況を分析し、東アジア共通法「ユス・コムーネ」の繁栄に貢献できるよう試みました。
〇第2回キャンパス・アジア学生シンポジウム(2015年2月7日、名古屋大学)
第2回キャンパス・アジア学生シンポジウム
セッション1
キャンパス・アジアプログラムに関する振り返りと提案
→本プログラムを経験した学生たちが、教育プログラムの評価をし、キャンパス・アジアプログラムの改善に貢献しました。
セッション2
東アジア諸国における法律の地域的な国際化の現在及び将来
→学生たちは、本プログラムの最終かつ究極の目標である東アジア共通法「ユス・コムーネ」の現状を分析し、その繁栄に貢献しようと試みました。
〇第3回キャンパス・アジア学生シンポジウム(2016年3月11日、名古屋大学)
第3回キャンパス・アジア学生シンポジウム
セッション1
私の将来におけるキャンパス・アジアの経験
→学生たちは、長期派遣の経験が将来においてどのような意味を持つのかに関して報告を行い、どのように活かすことができるか議論し、アイデアを共有しました。
セッション2
東アジア諸国における法の地域的国際化の現状と展望
→日中韓の法・法曹・法律市場の国際化の動向を紹介し、各国の状況を比較し、東アジアにおける法・法曹・法律市場の国際化の展望とそれが東アジア共通法「ユス・コムーネ」の形成において持つ意義について報告、議論しました。
〇第4回キャンパス・アジア学生シンポジウム(2017年3月4日、名古屋大学)
第4回キャンパス・アジア学生シンポジウム
セッション1
キャリアデザインとしてのキャンパス・アジアプログラム
→学生たちは、長期派遣への参加とそこから得られた知識がどのように参加者のキャリアデザインに影響したのか、または影響するのかを調べました。
セッション2
東アジア諸国の法律と政治学の研究及び東アジア共通法「ユス・コムーネ」の可能性
→学生たちは、私たち日中韓の国々における法律と政治学の研究の現状を考慮して、東アジア共通法「ユス・コムーネ」の可能性を調べました。
〇第5回キャンパス・アジア学生シンポジウム(2018年3月3日、名古屋大学)
第5回キャンパス・アジア学生シンポジウム
包括的テーマ
日中韓における現代的家族の法律問題
各チームの注目テーマ
同性婚(日本)
婚姻に関する財産的自由の二重の影響(中国)
韓国の離婚制度―有責主義と破綻主義を中心に―(韓国)
セッション1
3カ国の学生チームによるプレゼンテーション
セッション2
混合チームによるディスカッション
セッション3
各ディスカッショングループの代表による報告
〇第6回キャンパス・アジア学生シンポジウム(2019年11月30日、成均館大学)
第6回キャンパス・アジア学生シンポジウム
包括的テーマ
キャンパス・アジアプログラム参加者が経験した東アジア共通法「ユス・コムーネ」の可能性と潜在性
各チームの注目テーマ
ユス・コムーネ」のために私たちは何ができるか―歴史を振り返って―(日本)
東アジアにおけるビッグデータとプライバシー(中国)
キャンパス・アジアの経験と東アジア共通法「ユス・コムーネ」の可能性(韓国)
セッション1
3カ国の学生チームによるプレゼンテーション
セッション2
混合チームによるディスカッション
セッション3
各ディスカッショングループの代表による報告

インターナショナル・サマー・セミナー(ISS)

インターナショナル・サマーセミナー(以下「ISS」という。)は、キャンパス・アジアの協定校と名古屋大学がパートナーシップを結んでいるアジアの大学の学生を対象とした、短期受入のプログラムです。日本でのキャンパスライフを経験するとともに相互交流を促進するための機会を与えます。ISSに参加することによって、学生たちはグローバル感覚を磨き、幅広い人脈を構築することが期待されます。私たちは、アジアの発展促進において、参加学生が将来他の東アジアの国々と共に働きながら重要な役割を果たすようになることを期待しています。
第1回インターナショナル・サマー・セミナー(ISS)第1回ISS(2012)
第2回インターナショナル・サマー・セミナー(ISS)第2回ISS(2013)
第3回インターナショナル・サマー・セミナー(ISS)第3回ISS(2014)
第4回インターナショナル・サマー・セミナー(ISS)第4回ISS(2015)
第5回インターナショナル・サマー・セミナー(ISS)第5回ISS(2017)
このコンセプトの下で、ISSは講義セッションと公共施設訪問(リサーチ訪問)の2つの大きなイベントで構成されています。両セッションとも参加学生たちに日本の司法・政治・社会の制度をについて学ぶ機会を与え、そして実際の経験を通してこれらの制度に触れることができます。
講義を通じて、参加学生たちは日本や東アジアの政治や法律について学ぶことができます。そして、リサーチ訪問では、名古屋地方裁判所、名古屋高等裁判所、名古屋地方検察庁、愛知弁護士会、岐阜県の刑務所などを訪問してもらうことで、学生たちに日本の裁判制度や死刑制度についても学ぶことができます。
さらに、自主リサーチとして、学生に自ら選んだ場所に訪問して日本の文化や社会を感じてもらう機会もあります。さらに、大学院生には法律事務所でのインターンシップも経験できます。
講義セッション講義セッション
リサーチ訪問リサーチ訪問
自主リサーチ自主リサーチ
インターンシップインターンシップ
文化交流文化交流

卒業後の進路

先に述べたように、多くの学生たちを中国・韓国へ長期派遣しました。そして、大学または大学院卒業後には、様々な業界の民間会社、公務員、法律家など、幅広い分野で活躍しています。東アジア共通法の形成に向けた議論の場に直接関わらなくても、キャンパス・アジアプログラムを通じて得た法律・政治の知識や、磨いてきたグローバル感覚は彼らの中に蓄積され、各分野においてそれぞれの形で能力を発揮していくことができると思われます。
これからの東アジアの関係発展において、彼らが日本の社会を支えていくことのできる人材となっていくことを願います。