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第60回法制史学= 250;総会ミニ・シンポジ= ;ウム

2008年4月19日ᦃ= 2;名古屋大学

法と正義の= 523;プレザンタシオン―= 法制史における図像= 5299;釈の新たな可能性

「趣= 088;説明とフランス法制= ;史からのコメント」

法・= 491;義の図像学といえば= ;、ただちに思い浮か&#= 12406;のは、剣と天秤ば{= 63;りを持ち、時に目隠= しをした正義（ユス= 2486;ィティア）の女神ࠔ= 7;であろう。主に、西&= #27915;の裁判所等の建物= 420;町の広場などで見か= ;け、そのミニチュア&#= 12398;像は弁護士事務所{= 94;どの机の上に置かれ= ていたりもする。わ= 2364;国では、最高裁判৓= 2;の大ホールの正義の&= #22899;神像が、じつは頭%= 096;が菩薩の仏像のよう= ;に作られていること&#= 12394;どが知られてもい|= 27;。正義の女神の図像= 解釈は、法学者や法= 4459;実務家のエッセーӗ= 4;どでよく取り上げら&= #12428;るテーマになって= 356;る。そこでは図像の= ;分析を通して、法の&#= 20013;核的な理念である{= 00;正義」が、わかりや= すく説明され、法学= 2408;のイントロダクシӣ= 9;ンとしても最適なテ&= #12540;マといえよう。し= 363;し、私見では、わが= ;国における随想的な&#= 12289;これらの文章はど|= 28;も紋切り型の、表面= 的な理解にとどまる= 2418;のでしかない。いӛ= 1;く、剣は力を象徴し&= #12390;、不正をこらしめ= 427;もの、いわく、天秤= ;ばかりは公平さを示&#= 12377;もの、いわく、正ņ= 81;の女神の目隠しは当= 事者の外観にまどわ= 2373;れないようにするӖ= 3;めのもの、などなど&= #12391;ある。

　もちろん、今回= 398;ミニ・シンポジウム= ;のテーマの出発点は&#= 12289;まずは「絵解き」{= 98;おもしろさにあった= のは事実である。わ= 2383;し自身の問題意識ӗ= 8;ひとつとして、社会&= #21490;的なアプローチの%= 325;要性を感じていたこ= ;ともあり、法制史研&#= 31350;の枠組みを拡げて{= 56;く試みとしても図像= 学的な法制史研究に= 0528;目してきた。とくӗ= 5;、ヨーロッパは、一&= #27497;でもかの地に降り= 435;てばわかるとおり、= ;歴史が息づいており&#= 12289;いたるところに歴Ö= 90;的な図像や記念物を= 見出すことができる= 2290;法や正義の象徴物ә= 8;しかりである。した&= #12364;って、かの地を旅= 375;た日本の研究者たち= ;がエッセー風の文章&#= 12434;ものして、わが国{= 98;読書界に紹介するの= も理解できる。しか= 2375;、わが国で法律実ࡈ= 9;家や研究者の片手間&= #12395;書かれた法や正義= 398;図像に関する紹介は= ;、学問としての図像&#= 35299;釈学的な深い知識{= 95;裏打ちされてはおら= ず、また、その歴史= 0340;な背景として不可શ= 4;な法制史の理解も不&= #21313;分であったといえ= 427;。

この= 424;うな表層的で、ディ= ;レッタントによる好&#= 20107;家的な「研究」状Ė= 41;を突き破ったのが、= 1997年に出版され= 2383;森征一・岩谷十郎ಗ= 2;『法と正義のイコノ&= #12525;ジー』（慶應義塾= 823;学出版会）である。= ;これは法学部の１、&#= 65298;年生向けの書物と{= 75;て刊行されたものと= はいえ、従来の皮相= 2394;随想風のものとはߌ= 8;線を画した研究書の&= #20806;しが見られる。正 = 681;の女神の「目隠し」= ;の例をあげて、具体&#= 30340;に説明してみようz= 90;正義の女神を論じる= 章では、西洋の正義= 2398;女神の「目隠し」Ӕ= 4;歴史的に16世紀に登場す|= 27;事実に注目する。そ= れまでは目隠しはな= 2363;ったのである。一ශ= 1;すると、「目隠し」&= #12399;真実を見極めるこ= 392;ができず、誤った判= ;断を下すことになる&#= 12424;うにも思われるがz= 89;周知のように、正義= の女神が目隠しをし= 2390;いるのは、裁判をඡ= 2;なう者が被裁判者の&= #22806;観にまどわされな= 356;ために目隠しをして= ;いる、つまり、「公&#= 24179;無私」の性格を示{= 75;ているとする。これ= は裁判官の独立の問= 8988;にも関連する。イӟ= 9;リアの民事訴訟法学&= #32773;として名高いカラ= 510;ンドレイは、さらに= ;、「見ない」のでは&#= 12394;く「見られない、{= 92;信じ込む、つまりは= 判決の信頼性を確保= 2377;る」ために、目隠ӕ= 5;をしていると考えて&= #12356;る。

では= 289;16世紀ヨーロッ|= 97;で、正義の女神に「= 目隠し」をすること= 2395;なった図像学的背ਾ= 3;にはどういうものが&= #12354;ったのだろうか。= 381;れは、この時期、プ= ;ルタルコスの「公正&#= 12434;期すために目を閉{= 76;た裁判官像」が人文= 主義者によって注目= 2373;れていたことが挙ӕ= 0;られる。また、同時&= #26399;に、ローマ法の影&= 911;からヨーロッパ大陸= ;の訴訟は中世の口頭&#= 20027;義の裁判から近世{= 98;書面主義の裁判に移= 行しており、目隠し= 2373;れた正義の女神像ӗ= 9;、ローマ法継受後の&= #35009;判官が、判決を評#= 696;する段階では、裁判= ;官全員が裁判当事者&#= 12398;主張を聞くのでは{= 94;く、書面に書かれた= 事実に法を適用する= 2424;うになったことをӌ= 9;象徴しているとの見&= #35299;が唱えられるので= 354;る。正義の女神の「= ;目隠し」は、絵画や&#= 20687;だけでなく、裁判û= 52;等の建築物のレリー= フにも見られるが、= 2385;なみに、ドイツでӗ= 9;裁判所の建築におい&= #12390;「目隠し」がなさ= 428;た正義の女神は、1907年に禁止され= 2427;ことがO.R.KISSEL, Die Justit= ia（1997年）でしるさ= 2428;ている。

一見= 289;トリヴィアルにみえ= ;ることがらも、歴史&#= 30340;な文脈に置きなお{= 77;ことで、広い研究の= 、そして法学教育の= 1487;能性をもちうるこӗ= 2;が明らかになるであ&= #12429;う。このように、= 491;義の女神について論= ;じる際には、たとえ&#= 12400;、１６世紀のイタ}= 22;アで出版されたリー= パの『図像学事典』= 2398;ようなイコノロジӝ= 9;ルな知識も必要なら&= #12400;、近世ヨーロッパ= 395;おける訴訟構造の転= ;換といった法制史の&#= 30693;識も重要になって{= 67;るのである。

この= 511;ニ･シンポジウムで= ;は、法や正義の図像&#= 23398;研究をひとつのデ|= 51;シプリンとして立ち= 上げて、基礎法学の= 9968;分野を担う法制史ӗ= 8;側から法学の研究教&= #32946;、さらには法学の= 528;を超えた学際的なテ= ;ーマとして確立し、&#= 31038;会に向けて発信す|= 27;ことを目的にしたい= というのが企画者の= 9401;いである。

　法・正義の図像= 395;関する比較法制史的= ;研究の対象としては&#= 12289;裁判所等の法廷建ļ= 89;、建物の外部のデザ= インや建物内部の壁= 0011;や天井画、法や正ೄ= 1;の像やイメージ、法&= #24459;家が着用する法服= 420;かつらや法冠などの= ;小物類なども取り上&#= 12370;る。

　今回のテーマは= 289;法制史学の分野にお= ;いて、新しい問題関&#= 24515;をひきつけること{= 64;できるものと確信し= ている。たとえば、= 2394;ぜ裁判官は法服を௬= 8;用するのか、海外で&= #12399;どうなっているの= 363;、検察官や弁護士は= ;どうか、イギリスで&#= 12399;かつらを着用する{= 75;、フランスでは法冠= の帽子もある。この= 2424;うな問題から、そӚ= 8;ぞれの国の法文化、&= #27508;史的背景の違いが= 126;らかになり、そのこ= ;とがわが国の法文化&#= 12398;理解を広い視野か|= 25;、歴史的に位置づけ= ることを可能にして= 2367;れる。

　その際に、イコ= 494;ロジーの研究成果を= ;取り入れながら、法&#= 12539;正義のイメージそ{= 98;もの、法・正義の担= い手たちの姿かたち= 2289;法・正義のアトリӡ= 9;ュートの問題を比較&= #39006;型化していき、と= 516;時に、安易な類型論= ;におちいらないため&#= 12395;法制史的な歴史研Ĺ= 50;の知見を活用して、= それぞれの独自性に= 2418;着目していく。　ӕ= 1;うして、ディシプリ&= #12531;としての法・正義= 398;図像解釈学を、表層= ;的で皮相な感想にと&#= 12393;めることなく、そ{= 98;枠を踏み越えて、体= 系化・理論化の手法= 2434;編み出したいと考Ӕ= 0;ている。

　わが国において= 289;2004年度からスタ= 2540;トした法科大学院ӗ= 9;、良くも悪くも、法&= #23398;の教育研究全般に= 823;きな影響を与えてい= ;る。基礎法学の分野&#= 12395;ある法制史研究者{= 98;あいだでの危機感は= 、一方では、これま= 2391;積み上げてきた学ࢇ= 9;の継承がなされるの&= #12363;という深刻で喫緊= 398;問題もあるが、他方= ;では、新しい事態に&#= 23550;応するような法制Ö= 90;の研究成果、そして= 魅力あふれる法制史= 2398;教育方法を開発しӗ= 4;ければならないとの&= #24605;いをもたせるよう= 395;もなったのではない= ;だろうか。

　今回のテーマは= 289;一見逆説的なのかも= ;しれないが、法科大&#= 23398;院時代の法制史学{= 98;分野において、研究= 教育の両面で新しい= 1839;題関心をひきつけӖ= 3;いとの願いがこめら&= #12428;ている。当日のミ= 491;・シンポジウムでは= ;、ルプレザンタシオ&#= 12531;が「上演」というø= 47;味もあることに留意= しつつ（つまり、法= 2539;正義の舞台装置たӚ= 7;法廷建築やアクター&= #12392;しての法律家の衣#= 013;などに注目して）、= ;趣旨説明のあと、ま&#= 12378;英独の西洋の側のá= 77;告からスタートし、= 近代日本の裁判所建= 1689;の様式を具体的にࡢ= 2;り上げ、また単なる&= #32117;解きにとどまるべ= 365;ではない図像解釈の= ;批判的な検討ならび&#= 12395;シンボル学の過去{= 92;現在を踏まえた方法= 論的な問題提起もな= 2373;れる。そして４人ӗ= 8;報告を受けて、東洋&= #27861;制史と建築史から= 398;コメントをしていた= ;だき、討論に入る予&#= 23450;である。したがっ{= 90;、このミニ・シンポ= ジウムは、西洋・日= 6412;・東洋の比較といӓ= 8;ことのほかに、法制&= #21490;と建築史のアプロ= 540;チの比較も浮き彫り= ;になり、法制史研究&#= 12395;おける図像解釈のø= 47;義を考える機会とな= るだろう。こうして= 2289;法外在的な研究とૢ= 1;内在的な研究の総合&= #12289;いわばトータルな= 861;制史研究（Histoire totale du droit et de la justice）ӛ= 4;念頭において個別の&= #30740;究教育にあたりた= 356;と考えているのであ= ;る。

　このような研究= 399;、ともすれば実務的= ;な知識だけが先行し&#= 12364;ちの法学部や法科ä= 23;学院の学生向けの法= 学入門としても刺激= 0340;であるのみならずӌ= 9;一般市民や若い高校&= #29983;以下の人たちにも= 289;法知識をわかりやす= ;く広めることにつな&#= 12364;るといえる。もち|= 29;ん、アカデミックな= 専門研究者にとって= 2418;有益である。この࣒= 0;合、法学分野での研&= #31350;者にとどまらず、= 508;史学や建築史や美術= ;史などの他の領域の&#= 30740;究者にとっても、Ė= 61;と正義の領域に特化= した、法制史の知識= 2395;基づく深い研究成ੜ= 4;を提供することがで&= #12365;るものと考える。

　以上、法と正義= 398;図像学的研究は、従= ;来、それほど理論的&#= 12539;体系的なかたちでĳ= 40;究されてこなかった= が、しかし、取り組= 2435;でみると、非常にӚ= 2;たかな研究教育上の&= #37489;脈になっているの= 364;わかる。これは法制= ;史や法学の専門研究&#= 32773;だけでなく、法学Ų= 96;学生への法学入門教= 育、法科大学院生へ= 2398;違った視点からのૢ= 1;へのアプローチ、そ&= #12375;て若い人から時間= 340;に余裕をもちはじめ= ;た高齢者までの一般&#= 31038;会への法制史から{= 98;発信ともなりうる意= 義をもつと考える。= 2381;のことが、ひるがӔ= 0;って、法制史学のた&= #12381;がれなどではなく= 289;活性化につながる端= ;緒になりうるとすれ&#= 12400;、企画発案の意図{= 99;達成されたといえる= だろう。

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　以上がミニ・シ= 531;ポジウムの趣旨説明= ;であるが、今回、建&#= 31689;史の先生をお迎え{= 75;たこともあり、あら= かじめ、裁判所建築= 2395;関するフランス法࠸= 6;史の側からのコメン&= #12488;をメモしておきた= 356;。

　フランスにおけ= 427;正義のイコノロジー= ;研究で知られるロベ&#= 12540;ル・ジャコブによ|= 28;ば、司法に特有な建= 築は存在するのかと= 2356;う問題が時代を追Ӗ= 7;て考察される。（た&= #12384;、ルドルフ・ヴァ= 469;ーマン「司法建築様= ;式の昨今」では、ド&#= 12452;ツの場合、19世紀以前だとz= 89;裁判所建築物そのも= のが稀有であり、司= 7861;と行政が分離されӚ= 7;までは、裁判所は宮&= #24311;の建物等に置かれ= 427;ので、裁判所は固有= ;の建物を持たないと&#= 12356;う。）

　ヨーロッパ中世= 395;おいて、裁判は屋外= ;で行なわれたのであ&#= 12426;、そこには二つのŠ= 01;素が見られる。一つ= は正義の木（樫や楡= 2394;ど）の下で行なわӚ= 8;ること、もう一つは&= #22258;いの中で行なわれ= 427;ことである。正義の= ;木は、神話論的には&#= 12289;世界の柱を想起さ{= 79;るものであり、安定= 性と周期的再生を象= 4500;し、また木の幹はࢍ= 2;悪正邪を分かつ軸を&= #12418;意味する。後者の#= 009;きの場を印し付ける= ;囲いは、その中では&#= 26292;力は禁じられると{= 56;う司法の平和を画す= と同時に、その中で= 1496;法上の儀礼的振舞ӓ= 6;が象徴的に執り行わ&= #12428;るこということで= 354;る。

　裁判のための建= 689;物が登場するのは12世紀であると{= 73;れる。当初は、教会= 、城館、市庁舎など= 2395;付属する施設としӗ= 0;作られていたが、次&= #31532;に独立した司法建= 689;となる。この建物は= ;、通常、2階建てであるӍ= 0;下の階には判決まで&= #12398;勾留施設があり、= 978;階には裁判のための= ;部屋が設けられる。&#= 19979;は拷問室や土牢もņ= 22;かれ、日もあまりさ= さない場所であるの= 2395;たいし、上の階は໴= 3;口部も広く取られて&= #12289;裁判業務が日中、= 392;くに朝になされるの= ;に適したものになっ&#= 12390;いる。いわば、こ{= 98;2層構造の建物ӗ= 9;昼と夜、天界と地下&= #12392;いったミクロコス= 514;スを表しているので= ;ある。

　法廷の裁判官席= 398;壁画には最後の審判= ;の場面が描かれるこ&#= 12392;が多かったようだ{= 64;、フランスでは中世= 末から十字架磔刑図= 2395;取って代わられるӍ= 0;この十字架は、いわ&= #12400;、正義の木を、つ= 414;り善悪正邪を判定す= ;る生命の木を継承す&#= 12427;と考えることもで{= 65;るかもしれない。法= 廷における宗教的な= 5201;素は、フランスでӗ= 9;1905年の政教分離= 7861;によって、今日、ࠤ= 4;共空間からは取り除&= #12363;れたはずであるが= 289;ただし、破棄院商事= ;部法廷のナポレオン&#= 12398;壁画の上部にINRI（Iesus Nazarenus Rex Iuda= eorus）の文字が残って= ;いることを2008年3月の= 見学の説明で知るこ= 2392;ができた。現在のӢ= 1;ランスにおいて明示&= #30340;・法的には、宗教= 340;な要素は裁判所にな= ;いにしても、たとえ&#= 12400;原告・起訴側を裁Ò= 28;官から見て右側に、= 被告側を左という一= 3324;的な配置は、裁判न= 8;を神の代理人として&= #23529;判させる名残とも= 356;えよう。

　話を裁判所の建= 689;にもどそう。16世紀から17= 世紀の古典主義時= 195;に、司法建築も新た= ;な動きが生じる。そ&#= 12398;一例がレンヌのパ}= 23;ルマン法院である。= それまで多かった横= 8263;の長方形の建築がӌ= 9;ここでは正方形にな&= #12387;ており、シンメト= 522;ーが重視され、刑事= ;と民事の部屋も分割&#= 12373;れている。勾留施š= 73;の階と法廷の階の2層建築に変わӚ= 6;はないが、下の階の&= #27835;安の確保が配慮さ= 428;ていく。司法建築に= ;は裁きの場というだ&#= 12369;でなく、17世紀になるとŞ= 09;判所の外や法廷内部= に正義の女神の彫像= 2420;正義の寓意的な絵ஹ= 1;などが置かれるよう&= #12395;なり、市民を教育= 375;て犯罪や紛争を予防= ;する面も出てくる。&#= 12371;の時期の司法活動{= 64;生み出す正義のイメ= ージは、中世的な神= 2398;裁きと人の裁きのୗ= 1;応を変容させ、裁く&= #32773;と裁かれる者との$= 317;離が置かれるように= ;なるのである。中世&#= 30340;な正義が周期的にÐ= 77;生するイメージであ= ったのが、社会秩序= 2398;不可侵性イメージӔ= 4;優位になっていくの&= #12391;ある。

　これは裁判所が= 968;般市民から距離を置= ;くことにもなってい&#= 12367;。下の階は被疑者|= 20;被告人を勾留するた= めに警備上も一般人= 2364;入れないようにしӗ= 0;おく必要があり、上&= #12398;階も入り口は次第= 395;限定される。こうし= ;て、裁判所は「正義&#= 12398;神殿（Temple de la Justice）」とな= 2387;ていくのである。Ӗ= 1;の理念のさきがけは<= span lang=3DEN-US>16世紀末に出版{= 73;れたバルトルス著作= 集のタイトルページ= 2398;図に見られる。正ਬ= 1;形の神殿を支える4本の円柱は正ೄ= 1;を体現するとされる&= #12290;正方形はどこから= 415;ても同じであるがゆ= ;えに、「万人にたい&#= 12375;て平等」という正ņ= 81;を表している。

　このような正義= 398;神殿としての司法建= ;築が、現実に多くの&#= 37117;市で建てられてい{= 67;のは19世紀になって{= 63;らである。ただ、そ= の前にフランス革命= 2364;果たした役割にも૤= 0;意しておきたい。そ&= #12428;はフーコーの言う= 009;務所の誕生の問題で= ;ある。つまり、機能&#= 38754;において、下の階{= 98;拘置施設は裁判所建= 築から外されていく= 2371;とになる。また、ດ= 5;罪陪審制の導入の問&= #38988;も司法建築に影響= 375;たと思われる。民事= ;面では、前述の市民&#= 12408;の法教育的な点に|= 18;関連するが、アンシ= ャン・レジーム期の= 7679;綜した、訴訟過多ӗ= 8;状況への反動から、&= #24066;民を裁判所から遠= 374;けるような建築物（= ;まさに神殿のような&#= 65289;が採用されたとも{= 56;えよう。

　ともあれ、19世紀は裁判所{= 64;多数建てられる時期= であり、フランスの= 9694;在の裁判所の多くӗ= 9;この時期のものが今&= #12418;使われているので= 354;る（イギリスの様子= ;については、岩波文&#= 24235;『米欧回覧実記』ʌ= 88;二）164頁以下参照）= 290;19世紀の新古典È= 27;義建築様式によって= 、具体的には4本から8= 6412;の円柱の上に三角উ= 8;のペディメントのあ&= #12427;建物によって、今= 085;ヨーロッパの裁判所= ;で連想されるイメー&#= 12472;、つまり「正義のĶ= 70;殿」としての裁判所= イメージが一般化す= 2427;のである。アントӤ= 7;ーヌ・ガラポンが（&= #12362;そらくテーラーに= 394;らって）指摘してい= ;るように、そこには&#= 12289;日常世界とは異な|= 27;法と正義の空間が、= 安定した堅固な世界= 2392;して、あたかも19世紀のナポレ|= 58;ン諸法典の法的安定= 性とパラレルなよう= 2395;出現するのであるӍ= 0;

　20世紀後半の1960年代にフランス&#= 12398;司法建築は、一旦z= 89;他の行政機関の建築= 物と代わり映えのし= 2394;い、効率性重視のࡥ= 6;法庁舎が主流を占め&= #12383;が、1990年代になると= 2514;ニュメントとしてӗ= 8;裁判所の建築・改築&= #12364;息を吹き返す。た= 392;えば、パリのポンピ= ;ドゥーセンターの共&#= 21516;設計者のひとりで{= 54;るリチャード・ロジ= ャースによる1998年のボルドー= 2398;裁判所建築が木のऩ= 5;をかたどった奇抜な&= #12418;のであり、おそら= 367;、日本の場合は予算= ;上の制約もあるのだ&#= 12429;うが、画一的標準į= 40;（ダニエル・フット= 的にいえば、「顔の= 2394;い」）裁判所とはӌ= 9;ずいぶん趣を異にし&= #12390;いる（最高裁や京%= 117;の家裁のような例は= ;すくないのではない&#= 12384;ろうか）。

　そして、21世紀に入ってz= 89;2006年、パリの大= 3529;裁判所（年間の取৘= 1;件数は民刑事合わせ&= #12390;約7万）をシテ島Ӕ= 3;ら13区の新国立図ć= 60;館（BNF）近くに移し= 390;新築するための国際= ;コンペがなされ、34カ国から27= 5作品の応募（その= 2358;ち学生の作品が75）があった。é= 98;生の作品を除く200点の中から3点にそれぞれ4万ユーロの賞ດ= 9;があたえられた（学&= #29983;部門は5作品に各1万ユーロ）。作品ӗ= 5;は、ここでもユニー&= #12463;なものが多いのだ= 364;、19世紀から20= 世紀そして今世紀= 395;かけての大きな流れ= ;としては、19世紀の威厳にĚ= 88;ちた司法建築が、20世紀後半には人間味のある、しか= ;し機能的で、自然で&#= 36879;明性の高い、新た{= 94;性格をもたされるよ= うになったといえよ= 2358;。それは司法へのӝ= 0;クセス重視の流れと&= #28961;縁ではないはずで= 354;る。

　中世からの&#= 21496;法建築の歴史を、Ē= 91;義の女神のもつ剣と= 天秤ばかりの比喩を= 0351;って言えば、犯罪ӛ= 4;断罪する力ないし威&= #21427;の側面と訴訟を解= 770;に導く公平の側面、= ;垂直と水平、段差と&#= 36817;づきやすさなどのÉ= 08;つの面が、その時代= 時代の法制史的なコ= 2531;テクストとの関連ঝ= 5;をもちながら、せめ&= #12366;あってきた。ここ= 391;は、十分に論じるこ= ;とはできなかったが&#= 12289;司法空間内での商č= 89;活動（裁判所の中の= 商店）、宗教的要素= 5288;19世紀までの裁Ò= 28;所建築内の小礼拝堂= ）、交渉活動（法曹= 2392;依頼人との交渉の࣒= 0;としてのpas perdus）なども検š= 42;課題となろう。

資料&= #20986;典

資料①頁「中世末}= 11;ュルーズの裁判」「= アルビの重罪陪審裁= 1028;」：Archicréé 2= 65, 1995,p.47.

資料②頁「17&#= 19990;紀レンヌ・パルル}= 10;ン法院」：Archicréé 2= 65, 1995,p.50.

資料③～⑥頁「19= &#= 19990;紀から20= &#= 19990;紀の裁判所」：Archicréé 2= 65, 1995,pp.72-3,76-7.

資料⑦～⑨頁「2006年パリ大審裁判= 5152;国際コンペ」：Amc= 1= 67, 2007,pp.15-6,18.

資料⑩頁「法冠帽子= のカタログ」：= J.= Boedels,La Justice 1992, p.198.=