法律情報基盤
Legal Information Platform

法律情報基盤は、明治の立法沿革研究に必要な基礎的な資料を的確に把握するための仕組みです。詳細は、拙著『立法沿革研究の新段階 -法律情報基盤の構築-』をご覧いただければ幸いです。

分析ツール

条文沿革データベース
(Article History)

起草の各段階での条文の変化を時系列に見ていくことができるツールです。
起草過程では、条文の番号は各段階で変化しています。そのため、条番号を手がかりに議事録等を探すと、混乱することが多々あります。そこでまず、各段階での条文番号の対応関係を表の形で提供しています。また、条番号をクリックすることで、その段階での条文の文言を見ることができます。さらに、修正案の段階では、理由書を見ることができるなど、関連情報も同時に見ていくことできます。

参照外国法分析器

起草の段階で参照した外国法を調査できるツールです。
国(地域)ごとの参照回数を見ることができるようになっており、参照の傾向を分析することができます。参照回数は、起草者別・分野別の2通りの閲覧が可能です。また、参照回数としてカウントする法令の種類を選択することもできます。外国名をクリックすることで、外国法の条文番号から、日本民法典の原案を探索することも可能です。

理由書Web

修正案の条文、修正案理由書、旧民法の条文を一体的に見ることができるツールです。
修正案理由書は、立法趣旨を調べる上で非常に有用な資料です。しかし、理由書には、理由しか書かれていません。そのため、修正案の条文の文言や理由書で参照されている旧民法の条文については、別に資料を用意しそれぞれ参照しなければならず、非常に手間でした。そこで、これらの関連性の高い資料を一体化し、迅速に内容を見ていくことができるようになっています。
原本の傍点で「丶」が付されているものは斜体、「○」が付されているものは太字で表現しています。

用語変遷追跡 Bilingual KWIC

明治時代の法律用語の変遷を調べるためのツールです。
日本の法律概念の多くは西洋から輸入したものであり、日本語へ翻訳する際に造語された法律用語も少なくありません。そのような法律用語は、翻訳の当初から定着したわけではなく、試行錯誤による変遷を経て定着していきます。そのような法律用語の変遷を調べるのを補助するためのツールです。
例えば、「受任者」を検索すると、「代理人」という結果が表示されます。これは、「受任者」が、旧民法では「代理人」という言葉があてられていた可能性があることを意味します。
このツールは、Bilingual KWICというソフトを2つ連携させることで実現されており、フランス語を媒介として、同一の概念の言葉を推測しています。

韋駄天

句読点や濁点がない漢字カタカナ文を変換し、読みやすくするソフトです。

法律史料集

研究に必要な資料にワンストップでアクセスできます。
研究に必要な資料は、バラバラに存在しており、研究者個人が集めるところからはじめなければなりません。ここでは、明治期の民法の立法沿革に関する資料を集めています。
テキストデータの作成は、原典を元に、OCRと人手での入力を組み合わせて作業しています。原典を見る場合の誘導になるように、一般的な復刻資料を関連資料として掲載しています。ここに挙げた関連資料は、テキストデータ作成の際にも、参考にいたしました。

民法

旧民法 財産法関係

旧民法 家族法関係

明治民法 財産法関係

明治民法 家族法関係

商法

旧商法

明治商法

共通資料

フランス法典翻訳 関係資料

旧民法制定以前の関係資料

日本学術振興会復刻資料

いわゆる「学振版」と呼ばれる資料をまとめました。